1.オホーツクの由来

(1)「北海道」の由来

●由来

 北海道の「北海」は、幕末の蝦夷地(えぞち)探検家松浦武四郎が明治政府に提案した6つの候補名の1つ「北加伊」をもとにし、また「道」は律令制時代の行政区画「五畿七道」に由来する。1869(明治2)年、明治政府は開拓使を設けた際、それまで「蝦夷地」と呼ばれていたのを「北海道」と改称した。

●地名

 北海道本島およびその属島の総称。

●行政区画名

 北海道は、47都道府県中、唯一「道」という行政区画名を用い、範囲は北海道本島およびその属島に北方領土を加えたものとしている。これは、後述(第9章)の通り、日本政府が、ロシアが領有権を主張する北方領土は日本固有の領土であるとの見解をとっているためで、国土地理院作成の地図も当然、北方領土を北海道の一部として扱い、北海道の緯度・経度もこれによっているほか、面積にも北方領土分を加えている。

 北方領土は、択捉(えとろふ)島、国後(くなしり)島、色丹(しこたん)島、歯舞(はぼまい)諸島の北方4島を指す。

 

(2)オホーツクの由来

 ●オホーツク海

北緯62度から44度にわたる南北にやや長い海で、その長径は約2,000qにも及ぶ。シベリア大陸、千島列島、北海道、サハリンに囲まれた太平洋の縁海であり、大陸棚の発達により平均水深は800mと浅い。面積は、日本の約1.5倍、北海道の約16倍に当たり、海面のほぼ80%は、冬期間結氷する。オホーツク海の最南端、北海道の海域でも1月中旬から3月下旬  までの間はほとんど流氷で覆われ、流氷が見られる海としては、地球上で最も赤道  に近い海(北半球では最も南の海)である。

 ●オホーツク海の名称  

「オホーツク海」は、ロシア語で、「オホーツコエ(オホーツクの)・モーリエ(海)」という。サハリンの北方、シベリア大陸沿岸のオホタ川河口に「オホーツク」という町がある。オホタ川の名は少数民族・エベン族の「川」を表す言葉「オカタ」からきていると思われる。「オホタ川の町」という意味で「オホーツク」という町の名ができる。オホーツク海の名はここからきていると思われる。 

ところで、ロシア語で「オホタ」と発音される言葉には「狩猟」という意味がある。オホーツク海は比較的浅い海で、海棲動物の成育に適し、アムール川から大量の淡水と養分が含まれた土砂が注がれ、古来、魚類と海獣の宝庫として知られていた。テンやラッコの毛皮を求めてシベリアを越えてきたロシア人にとって、この海はまさに「狩猟の海」だった。

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